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MARQUEE(マーキー)Vol.111 夢眠ねむ(でんぱ組.inc)連載「まろやかな狂気」 Notes 006.「でんぱの精神、アキバの精神」続き

  • Posted by: MMMatsumoto
  • 2015年10月13日 13:12
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でんぱ組.inc・ねむちゃんの連載「まろやかな狂気」の続きです。
今発売中のMARQUEE Vol.111のP57からの続きとなります。

今回は、でんぱ組.inc、そして夢眠ねむの本質・根幹かと。
かなり突っ込んだ内容になっています。

これを僕は誰よりも全てのアイドルさんに読んでほしいと思ってます。
アイドルとは何か?の究極の答えがここにあるからです。
そしてこれを読めば、なぜ唯一、でんぱ組.incだけが超絶地下から代々木2DAYSや海外に行けたか、その謎の半分が解けます。
(もう半分は他の理由があるから)

ここに話されている精神が、その答えです。

本誌のほうでも結構語られていますが、
ここから後半がかなり濃いです。
絶対、読んでください!



ローリングの部屋があって、ガムテープでこっちはステージでこっちは客席だったんですよ。その状況から私は始まってるから、もう客席とステージの違いってガムテープの1本の線だし、メイドとご主人様だって、同じ空間でカウンターっていう境目でご主人様とメイドになってるだけで、本当にお互いの認識だけじゃないですか。それは『コズミックメロンソーダマジックラブ』っていう展示で私が表現したかった事とも同じで、アイドル本人じゃなくて、周りで応援してる人がアイドル本人を構築してるっていうことだったんですね」

――やっぱり出発点が違うと思うんですよ。アイドルの成り立ちとは何かを見る思いがする。

「だからただもらえる側って思ってるファンの人って、本当はそれで正解なんだけど、実は大分あげてるってことも認識してほしいと思う。『もらってばっかと思うなよ』『私達にもくれてるんだぞ』って自覚を。だから、こっちは有り難いんですよ。同時にアイドルも『与えてると思うなよ』って思うんです。多分そこをすごく伝えたい」

――要は謙虚さだと思うんです。アイドル、ファン相互の。その謙虚さ同士で通じる気持ちっていうのが、アイドルカルチャーの神髄だと僕は思ってるんですが。

「そう思う。だから私がTwitterに書いたのが『どっちも傲慢になるな!』なんです。そのステージと客席の線を挟んだお互いが傲慢になっちゃったら、何も成立しないぞって。それはステージじゃないと思うんですよね」

――ねむちゃんがずっと言ってきたことではあるけど。

「いっつも一緒。作品てそういうことだと思うんですよね、私は。いつも言ってる『本質を見よ』っていうところだけ。ちゃんと自分を通った情報を信じろっていう」

――あとはそれを分りやすく人に伝えることが出来るかどうか。タイミングとか、相手の人種とかにもよるかと思うんだけど。

「でも、ファンの方もいろんなタイプの方が結構増えてるし、人種?っていうのもちょこちょこ越え始めてたりはするかなと思うんです。そのためにもやっぱり私達の歌やダンスの強度が落ちちゃうと、伝えるスピードとか範囲は狭まるし。TIFの時は、『これだったんだな』ってスッと溶けていくみたいな感じがして、心が揺れちゃって泣いたんですよ。でも、そうなるくらいの事をやんなきゃなって思うんですよね。私達がどれだけ本質を貫けるかを」

――ねむちゃんは、なぜでんぱだけが地下からブレイクスルーできたと思ってる?

「私は共感が一番大きいと思う。同じ人間だって思わせたことが一番デカイ気がする。みんな芸能人とかアイドルって別の生き物だと思ってるところがあるから、その子達が頑張ってるところも見ないし、もういきなり100点でカワイイっていう状況じゃないとみんな受け入れないと思うんだけど、でんぱ組って例えば100点カワイイけど、60点だなみたいなところとかも結構見せちゃうっていうか、それしか出来ないから。で、"W.W.D"もそうですけど、いろんな気持ちがある中で、それぞれが一番モヤモヤしてたこと、でもこれって例えば親友とか好きな人とかに『実は私こうなんだ』って打ち明ける瞬間のドキドキに似てたんですよ、歌う前って。例えばもう、そんなことないけど、すごい小ちゃいことで言うと『私実は歯ぎしりするんだ寝る時』とか、自分はすっごい気にしてるけど、周りは『私もだよ』みたいなことって、多分アイドルは見せちゃダメだし、でも普通の人間としてもすごく気になってることの拡大というか、濃縮されたところをでんぱ組は体現してる気はしてて」

――僕は、やっぱり謙虚とか正直とかに関係があるような気がする。

「いい意味でも悪い意味でも正直っていうのはあります。だから人間として見られたくないところが出ちゃうから今まで友達も少ないし、独りぼっちだったし、言ったらそっちの方が楽だったからそうしてたのに、無理矢理引っ張り出された結果、やっぱどうしても出来なかったり、"W.W.D II"もケンカしちゃったりとか。でも『ケンカしないんです』って言ってたのって、お互い関わろうとしなかったからケンカしなかっただけで」

――そういう"仲がいい"って言うアイドルさん、多いですよ。

「結局ケンカしちゃうってことは、やっぱ一個外に出ようとしてる、誰もがクラスに馴染もうとして、でもケンカしちゃったみたいな、絶対共感する部分をうちらが現在進行形で悩んでることによって、やっぱみんなが『あ、そうだよね』って相互理解できたからなんじゃないかな」

――僕は今でも"W.W.D"リリース後くらいのZeppDiverでの@JAMイベントを思い出すんですよ。他ヲタ達がね、でんぱに対してサイリウム振る時の感じが、自分の推してるグループだとか、でんぱ組が話題だからとかでもなく、"W.W.D"で自分達が代弁されたような"気持ちの共感"で振ってる気がしたんですよ。熱を感じたから。救われた、認められたっていう。これなんだって本当思った。やっぱね、でんぱが"謙虚な前向きさ"を持ってるからだと思うんですよ。

「でんぱって、全員それぞれ漫画の種類は違うんだけど、有名な漫画の一番人気がある脇役が6人が揃ったみたいなイメージがあるんですよ(笑)。人気投票1位の脇役のグループみたいな感じがする。6人のヒロインを集めましたっていう感じはしない」

――確かに。

「だから、やっぱみんな劣等感はあるんですよ。主人公じゃないって思ってるから。でもそれでも主人公になりたいし。だから、本来脇役である自分をヒロインだって見てくれる人は全力で幸せにしたいですよね。っていうのはすごい感覚として近いかもしれない」

――実際いろんなアイドル取材をして、有名から無名まで現場も行きまくるから本当に分るんだけど、やっぱでんぱ組は違う。ねむちゃんみたいな人は、まあいないですよ。ちょっと語らせてもらいますね。成功する人には共通点があって、チャンスが来たことを察知するのはもちろんのこと、来たチャンスをつかまえに行く力がある人なんですよ。楽屋で他のアイドルさんに声を掛けれないアイドルさんが、どれ程歌やダンスを磨いても限界がある。そこででんぱを見るとね、客が20人ぐらいしかいない時から、もちろん今もそうですけど、現場に強いですよ。この6人が集まると化学反応が起きるような何かすごく強いものがあるんですよね。

「謎の脅威がある(笑)」

――それはディアステージで楽しみながら修行してきたからこそ培われた力だとも思う。いざどこに出て行っても対応力がありますよ。

「でもそれは本当に鍛えましたよ。最初何も出来なかったから。基礎値が違うってことですか?」

――そう。当時から現場に強い人達だなって。6人でステージに立つと、わーってエネルギーが外に出る感じがして。でんぱ組が来ると何か楽しくなる。

「嬉しー! そう言えば最近、1年だけ復活してた完全メイド宣言のラストライヴに行って、もうずーっと号泣してたんですよ。ひとみんがMCで、もう愛されてるから卒業したメイドさんもいっぱい来てて。やっぱり普通の生活のことを社会復帰って言ってた(笑)。でもアキバの子はそういう気持ちでいるんですよね。『アキバに居るっていうのは社会には出てないっていうちょっとした自虐が常にあるから、普通に社会復帰出来た子もいるし、更に世界に羽ばたいて頑張ってくれてる子もいて、私達もすごいそれが誇りです。頑張らなきゃいけないと思います』って言ってくれて。私それですごい泣いて。やっぱり、何かを背負ってるか背負ってないかの違いで、私達は@ほぉ~むcafeっていうお店で働いてたんですけど、@ほぉ~むcafeの看板っていうのを背負ってメイドをやってたんですよ。それはすごくプライドもあるし、他の萌え産業とは違うっていう自覚もあるし。だからすごく丁寧にご奉仕するっていう気持ちで、ご主人様ありきのメイドです、っていう意識をもうずーっと持ってて、アキバっていうのはそういうもの、人と接するのはそういうものっていう、言ったらアキバの精神が萌え産業の精神だと思うんですよ」

――でんぱもそういう精神に根ざしてますよね。

「それは間違いなくて。『お客様は神様です』っていう言葉があるけど、その精神で、メイドをやってるのは全然ごっこ遊びじゃなかったんですよね。ごっこで働いてる子も多分いっぱいいるんですけど、その瞬間は本当に奉仕の気持ちになるから、やっぱりアイドルをやっててもその瞬間は全力でアイドルをやってファンの人を幸せにしなきゃいけない、その為にやってるっていう意識なんですよ。だから意外と『ちやほやされたくて』が出発点じゃない。一番最初の動機は『カワイイって言われたい』かもしれないけど、結構劣等感を持ってて始める子が多いから、『こんな私でも必要としてもらえる』っていうスタートなんですよ。だから『私はカワイくて表に出る人間だ』っていうスタートはあんまないですね、アキバって。多分その下からの気持ち、だから『見つけてくれてありがとうございます』っていう気持ちなんです」

――それを完全メイド宣言を見て再確認したと。

「すごく再確認して。本当に初心に戻りました。私は初めてアキバに行った日に完全メイド宣言のライヴを偶然観れたっていうのがあって。その1~2年後にえいたそに会ってるので。えいたそとメイド喫茶で接客してもらう前の出来事だったから、私の一番デカイ衝撃は完メドなんですよ。だから、『好き』って言っちゃいけないっていう。ご主人様とメイドの関係だから『好き』って言っちゃいけないじゃないですか。アイドルは恋愛禁止とかあるかもしれないけど、それよりもガチガチのことがある中でどんだけ愛情を伝えるかっていうのを、すごく勉強させてもらったんですよね」

――そこが違うのかもね。

「でんぱ組が他の多くのアイドルさん達と違うのは、店舗系だからだと思うんですよ。その中でもディアステージは土っぽい。自分達発信でイベントから何から作って、しっかりした制服が支給されてるわけでもなく、なんとか手作りながらアイドルに見えるようにしてたわけだから。なんか私"魔法少女未満"のことを考えてたんですけど、"魔法少女未満"も魔法少女になれなくて頑張って、自分で衣装を手作りしてリュックに詰めて変身する時に着て、っていう感じなんですよ。でも自分ではその時魔法少女だし。それはなんでなりたいかって言ったら、目の前にいる好きな人に振り向いてほしいとか、何か願いがあるからで。店舗系とか地下アイドルって、その為に変身する作業、要するに私が言ってる"未満"の部分をすごく鍛える期間が長いんですよ。でんぱ組も鍛える時間がすごく長く取れた。と言うか実際は取らざるを得なかったんですけど。今は全然こんな事思わないんですけど、もがちゃんとピンキーが入った時に、『もうちょっとディアステで働いた方がいいんじゃないかな』と私が思ったのも、その理由からなんです。いきなり表に出たら勘違いしちゃったり、このファンの人は何でここにいるんだろうっていう理由も分んないままステージに出るのは、その子達の為になんないんじゃないかって思ったんですよね」

――それ、めっちゃ分かる話ですね。

「チケットを手売りするとかって、お涙頂戴に聞こえたら嫌ですけど、やっぱりいきなり有名プレイガイドで売ってるアイドルと、『うわー、マジ集客ないで~』って頑張って手売りしてるアイドルだったら、手売りしてるアイドルの方がお客さんがなんで来るか、どうやって来てるかが分る。っていうのはすごくあるし、例えばメイド喫茶だったら、ご主人様達が仕事帰りに行くんですよ。だから私達の存在を癒しにしてるのがダイレクトに見える。ただ客席を見るだけじゃなくて、今日はこんな事があって疲れたから来た、今日は会議頑張ったからいつもはお茶だけだけどご飯も食べちゃおうとか、ご褒美にしてくれてるっていうのが、例えば自分がご褒美にケーキ食べるっていうののケーキにちゃんとなれてるかっていうところで多分、精度を上げたいって思えるか思えないかが、その意識とか謙虚さにつながってくると思うんです。私達はその経験が出来てラッキーだっと思う」

――逆に思うのは、ねむちゃんや梨紗ちゃん達って成功例でしょ。アキバってすごい怖い所だとも思ってて。もふくちゃんが以前インタビュー時に言ってたけど、本当に情念が渦巻いてるって。

「怖いっすよ~」

――女の子同士だしね。僕達は少数の成功例の話をしてるけど、ダメになっていく子もいっぱいいると思うんだよ。

「でも、変な結界を張ってると思うんですよ。ご主人様は歳取んないし。8年前とかに会ってたご主人様と道で会っても一緒だし(笑)。これスピリチュアルな話になっちゃうからカットでいいんですけど、本当に歌えなくなった時期があるんですよ私。声が出なくなるとかじゃなくて動けなくなる」

――詳しく聞きたいです。

「ディアステージで働いてる時の事なんですけど、『もう歌えない』ってなって震えちゃうんですよ。秋葉原にいる人って何か欠陥があったりとか、よそで受け入れてもらえない人だから幸せにしたいんです。だからかなり開いた状態でしゃべったり受け入れたりするんですよ。でも自分のキャパを越えちゃうっていう瞬間を何度も見ていて。で、『この人を私は幸せに出来ない』っていう挫折が何度かありました。それがすごく悲しくて。だから、私がキャッキャ歌ったり踊ったりしてるだけじゃ救えない闇なんて、そこら中にいっぱいあるっていう自覚があるんですよ。アキバってやっぱりそういう所でもあるから、いっぱい傷が入ってる人もいれば、本当にいなくなる人もいるんです。いつもどこかでご主人様方、ファンのあの時のみなさんは元気かなっていう心配もすごいするし。それぐらいやっぱり思っちゃうんですよね。仕事じゃん、バイトじゃんって言われたらそれまでなんだけど、そうじゃ済まされない事を目の当たりにしてるから、やっぱり難しいんですよ。本当のメイドって治療に近いし」

――巫女ですよね。アイドルも含めて、本質は。その度数が異様に高いのが秋葉原。その混沌とした養分からエネルギーを吸い上げてポジティヴ変換できているから代々木2Daysをやれちゃうという結果にもなってるんだろうし。世の中から見ればでんぱ組って、本当結構知られてきた存在だけど、やっぱりその子達は秋葉原の子達なんだなって思うんですよね。あの街には原風景がある感じがする。

「あんなに騒がしいのに、ほっとするっていうワケの分からなさが(笑)。ちょっと解放区的なところはある。村や国じゃないけど、あそこでは許される法律がある感じがするし、やっぱみんな別の名前を持てるっていうのが大っきいんですよね。別人格になれるっていうのが。梨紗ちゃんが"W.W.D"の独白でやってましたけど、何かになりたかったって。ピンキーもそれでコスプレやってたりするし、私なんかそもそも夢眠ねむになってるわけですし。完全メイド宣言の話に戻るんですけど、やっぱね、アキバを通ってる人しか分んない粋みたいなのがあって。でんぱ組で放送とか雑誌取材でも『何歳なの?』って聞いてくる人っているんですけど、それってもう今や私達にとっては、お決まりのフレーズだからうまく流せるんですけど、アキバでそんな無粋する人はいないですよ。それ言ったら『この人オタクじゃないな』って対応されます」

――例えば、どんな接客を?

「逆にすっごい丁寧に接客されて、『このパウンドケーキは売り切れです』って言われないで、『上野動物園に帰っちゃいましたー』っていうバキバキの接客をされるんです。この人はアキバを感じに来てる、みたいな。やっぱ私達、意外と外の世界に出れてるんだなって思ったんですよ。アキバで完メドのライヴを観て思ったのは、やっぱその世界の美学っていうのを分ってる人達しかここにはいないから、私達はすごく今まで楽をしてたけど、年齢の話とか言われるからすごい気にしちゃって逆にネタにしてたりするとは言え、こんな事で心を苦しませる生活はしてなかったなって思ったんです。本名とか年齢って、アキバじゃ本当に御法度なのに。それを聞くことがダサイっていう認識がない世界に今自分達はいるから、結構戦ってるなって思います(笑)」

――その流れで、じゃあ締めますね。今日最後の質問です。ねむちゃんは自分がアイドルじゃない? じゃあアイドルはファンの人達から何て言われたら嬉しいんだろう?

「えー、私の場合は、でもちょっと歪んでるかもしれない。私は『今までありがとう』がいいな」

――あ、分る。それは本当に経験積んで来ないと分かんない優しさだよね。

「泣きそうになる」

――自分の役割を全うすると。

「なんかね、私が必要なくなるくらい幸せになってほしい」

――その為に修行積んで来てるわけだからね。でも一抹の送り出す切なさはあるでしょ?

「あります、あります。あるけど、やっぱりそれが一番幸せだと思うから。忘れられて悲しいとかあるのかもしれないけど、やっぱりその人の一番つらい時を救ったんだったら、そうやってお別れするのが一番幸せだなって思います」


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