Home > アイドルのリアル未来

アイドルのリアル未来

  • Posted by: MMMatsumoto
  • 2014年8月25日 17:58
『全アイドル、全運営、全アイドルファン、超絶絶対の必読!! プロデューサー・志倉千代丸氏、アイドル新構想「Stand-Up! Project」を語る』、
ということで、発売中の小誌 MARQUEE Vol.104(乃木坂46 表紙号)に掲載済みの取材記事をアップします。
とても重要なことが語られているからです。
なので拡散させたい、と。

こういう"ちゃんとした大人"が居て、
楽しみの現場も本当に作られていくというか、
たまには根底の部分をしっかり見据えて、
しかもポジティヴに考えるということは必要かと思います。
この記事は誰よりもまずアイドルさん達に読んでほしいです。

インタビュアーは岡島紳士氏。


 株式会社MAGES.の代表兼プロデューサー・志倉千代丸が、新たなアイドルプロジェクト「Stand-Up! Project」及びアイドルレーベル「Stand-Up! Records」を立ち上げた。アフィリア・サーガやAKIHABARAバックステージpassをプロデュースする彼が、この新規プロジェクトで、アイドルシーンに何を投げ掛けるのだろうか。

――Stand-Up! Recordsを立ち上げた理由を教えて下さい。
「昔はアイドルって神みたいな存在だったんですよ。でも今は『会いに行けるアイドル』になり、距離が近づいた。結果、神から『人間』になったんですよね。地下アイドル、半地下アイドル、地上アイドル、いろいろいますけど、どれもこれも人間臭い。だから偶像や神ではなく、人間としてアイドルを扱わないといけないんだなと思ったんです。人間になったら生活が必要ですよね。無償で笑顔を振りまいて癒しだけを注いでくれる存在ではなくなっている。なんならファンから力を届けなければいけない。昔は与えるだけだったけど、今はパワーを交換し合って関係が成り立ってるんです。そういう『人間』を扱うレーベルを作ろうと思ったんですよ」
――具体的なきっかけはありましたか?
「去年の9月に、2020年に日本でオリンピックが開催されることが決定しましたよね。その瞬間にTwitterのタイムラインを見たら、アイドルたちがざわざわっとしてたんです。彼女たちの同年代の友達は大学、就活、受験勉強、結婚など、それぞれ将来に可能性のある道を歩んでいる。ふと周りを見回すと、自分の人生に不安を覚える要素がたくさんあるんですよね。『はて、私は6、7年後に何をやってるんだろう』と、リアルに考えたんです。それを僕は『オリンピック症候群』と呼んでるんですけど。構想としては前からあったけど、きっかけはこれでした。普段でも、アイドルってポジティブなこと言ってる方が少なくて、ネガティブなことばっか言ってる。それは将来が見えないからなんですよ」
――具体的にはどう将来をフォローされるのでしょうか?
「今笑顔を輝かせるとしたら、将来何らかの安心材料がないと無理なんですよ。だから満を持してグループを卒業した子には、母体の会社・MAGES.や、親会社のKADOKAWA・DWANGOなどに就職できるようにしようと。例えばタレントとして表舞台にずっと出続けるには100人に1人くらいの才能が必要です。そこからこぼれてしまった子のために、別のルートを探ろうと。例えばひとつのアイドルグループがあるとして、活動を続ければスタッフもアイドルも成長して行く。でも、スタッフ側にキャリアアップがあっても、アイドル側にはなかった。アイドルはただ終わって行くだけ。アイドルにもキャリアアップを作りたいんです。アイドルとして積んで来た経験って、実際に現場で生かせるはずなので」
――アイドルとしての実績を無駄にしない人生にさせたいと。
「そうですね。例えばアフィリアを卒業したら、イベント会場とかで社員として働いてる姿を見れるかもしれない。それをファンが望んでるかどうかも含めて、まだ手探り状態なんですけどね。でもね、望まなかったらおかしいんですよ。アイドルをやめた後は「じゃあ死ね」って言うのかって話だし。エンタメ業界の中で活躍してるんだっていう方が、落とし所としても、意外とファンにとってはいいんじゃないかと。でも、ちゃんとした卒業じゃないとダメですよ? ファンにもスタッフにも推されてる子なら、空気も読めるし、人間力が高いと思うんですよ。今後、このレーベルに何百人入るのか分からないし、その全員を就職させるかどうかは難しいけど、でも一部だとしても、キャリアアップできるよ、という仕組みにしておきたい。これがこのプロジェクトの根幹ですね」
――表に出るタレントだけでなく、裏方としての方向性も用意するということですね。
「そうです。その仕事はアイドルの育成かもしれないし、アニメの制作かもしれない。アフィリアだと、公にはしてないですが、既に正社員として働いている子が2人います。こうして前例があると、安心してアイドルとして全力疾走できるんですよ。むしろそれがなく笑顔で全力疾走できるアイドルって、僕に言わせれば謎のモチベーションでしかない。アイドルになった瞬間に福利厚生や、社会保険の問題をクリアにしてあげてもいいかなと思ってるんです。というより、クリアにして行かないといけないんですよ。アイドルを何だと思ってんのって話じゃないですか」
――社会人として認めてあげようってことですね。ところで他に先行のアイドル専門レーベルとして、タワーレコードのT-Palette Records、ビクターのVERSIONMUSICがありますが、それらとの差別化は考えますか?
「さすがに就職できるアイドルって他にないと思うので(笑)。あとうちだからこそできるのは、アニメとのタイアップですね。昔はアニソンはアニソン歌手が歌うものでした。でも途中からビジュアル系バンドが歌うという流れができたんですよ。よくアイドルを語る人たちが『二次元と三次元は相容れない』と言って来ましたが、これは相容れるはずです。ビジュアル系とアニメという間逆のものがひとつになりえたので。それよりは近いですよ。アニソンって、聴いてると作品のキャラクターやとあるシーンが想起されますよね?そこにアイドルのパフォーマンスが加わると、相乗効果で良いものが生まれるんですよ。今だとエビ中もアニソンを歌ってますよね。実際、アニサマ(アニソンの祭典。さいたまスーパーアリーナで開催)でもアイドルの枠が広がって来てる。アイドルがアニソンを歌うことが増えてるんです。レーベルとしても、そこは狙って行きたいし、KADOKAWA・DWANGOのグループとしてもアニメのコンテンツは死ぬほど持ってるので、そこを強みにして行かないと意味がないかなと。アニメとアイドルは相容れないと言っている人たちは、ちょっと古いかなと思います」
――ファン層もそこで広がりますよね。
「現状、アイドルの数に対して、お客さんの数は多くはないですから。市場規模としてはそれなりだけど、少人数のアイドルファンで回してる業界なんです。だから、いつどうなってもおかしくはない。だからこそ手を打って行かないといけないかなと。それが業界の延命措置になるし、規模の拡大にも繋がると思います」
――プロジェクトとしては、他にお考えの事はありますか?
「スクール事業は声優科、ボーカル科、ダンスパフォーマンス科など、以前からやっていて、アフィリアの子も行かせて、卒業させています。大体生徒数が300人以上の規模ですね。例えばレーベルに入った子は特待生扱いで入学金を免除とかも全然できるので。声優志望の子もいますし、声優のプロダクションとのコネクションもあります。アフィリアの子も声優の仕事をちょこちょことやってますし、これからもっと増えるでしょう。声優も含めて、将来食べて行ける道を多様化させたいです」
――今後アイドルシーンはどうなると思いますか?
「ここ5年はブームは続くと見ています。アイドル予備軍である今の小、中学生が、今のアイドルに夢をみてくれているので。でも5年後にその子たちが輝ける状況でないと、誰もそこを目指さなくなってしまいます。そうなれば、一旦そこでブームは終わり。だから今から数年でみんな現実を見るんですよ。今売れているアイドルがどうなって行くか、それを予備軍がどう見るか。アイドル業界を終わらせないためにも、このレーベルでやるべきことはやって行きたいですね」


Trackbacks:0

TrackBack URL for this entry
http://www.marquee-mag.com/mt/mt-tb.cgi/166
Listed below are links to weblogs that reference
アイドルのリアル未来 from MARQUEE Blog

Home > アイドルのリアル未来

Search
Feeds
Tag Cloud
Links

Return to page top